株式会社ティムス(以下「当社」)は、2026年9月12日に放送されたNHK Eテレ「ヴィランの言い分」に、当社取締役会長であり東京農工大学特任教授の蓮見惠司が出演いたしましたことをお知らせいたします。
同番組は、住まいの中で嫌われがちな生き物を"ヴィラン(悪役)"として紹介しながら、その意外な有用性に迫る教養バラエティ番組です。今回のテーマ「クロカビ」の回では、東京農工大学大学院 鈴木絵里子教授とともに蓮見が出演し、クロカビが持つ薬理作用について解説しました。
(番組はこちら:https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-YM3WKRZWZQ/ep/3RXJVJJZLQ)
■クロカビが生んだ脳梗塞治療薬候補「TMS-007」

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- TMS-007の分子模型
蓮見は世界自然遺産に登録されている沖縄県・西表島のクロカビから、血栓溶解作用を持つ化合物群「SMTPs(Stachybotrys microspora triprenyl phenols)」を、東京農工大学在職中に発見しました。その一つが、当社が現在開発を進める脳梗塞治療薬候補「TMS-007」です。番組では、SMTP化合物群が持つ多様な薬理作用のうち血栓溶解作用を中心に、"嫌われ者"のクロカビが医療にもたらす可能性が紹介されました。
■番組概要
番組名:NHK Eテレ「ヴィランの言い分」 (毎週土曜 10時30分~)
テーマ:「クロカビ」
NHK Eテレ「ヴィランの言い分」ウェブサイト:
https://www.web.nhk/tv/pl/series-tep-YM3WKRZWZQ/list?tep=5LP38PVQ4N(NHK ONE)
■ ティムスが開発中の脳梗塞治療薬の新薬候補TMS-007

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- 上図:Niizumaet al. (2024) Stroke55,2786–2794
現在、脳梗塞の治療に用いられる薬は「原則4.5時間以内」の投与に限られていますが、TMS-007は血栓溶解作用に加え炎症を抑える作用も持っており、この2つの作用により血栓溶解を進めつつ脳保護的に働くことが示唆されています。
2018年から2021年にかけてティムスが国内で実施した臨床試験(前期第2相臨床試験)では、下記の事項が示唆されています。
①安全性
TMS-007群とプラセボ群と比較した解析では、TMS-007の投与による有害事象(好ましくない、または意図しない兆候・症状)の増加は認められませんでした。
②治療可能時間を拡大
この臨床試験は、既存薬の原則発症後4.5時間以内という制限を大きく超える、12時間の枠で行ったもので、平均的な薬剤の投与時間は脳梗塞発症9時間程度でした。それにもかかわらず、プラセボ群と比較して脳出血などの副作用は増加しませんでした。
③後遺症を抑える
脳梗塞発症90日後に後遺症のない状態(患者の自立度の尺度モディファイド・ランキン・スケールmRSで0-1)まで回復した患者の割合は、プラセボ18.4%に対し、TMS-007投与群では40.4%と、統計学的に有意な差となりました。
TMS-007は急性期脳梗塞治療の新たな治療選択肢につながる可能性が期待されています。TMS-007は、日本発の画期的な新薬候補として世界の医療現場から期待を寄せられており、現在、20ヶ国に及ぶ大規模な国際臨床試験(ORION試験)において、投与時間を発症後最大24時間までに拡大し、この結果を検証中です。
■ ティムスとは
当社は、2005年に、東京農工大学発酵学研究室教授(2023年定年退職、現特任教授)の蓮見惠司(当社設立以来、研究成果実用化のため、取締役、代表取締役社長等を兼務)らが発見した医薬シーズを実用化することを目的に設立されました。
同研究室は、故・遠藤章博士(コレステロール低下薬スタチンの発見者、2008年ラスカー臨床医学研究賞、2017年ガードナー国際賞)の研究の流れを汲むもので、微生物由来の生理活性物質の探索研究を行い、それらの作用機序および薬効を明らかにしてきました。その過程で、TMS-007を含む多数の新規化合物が見出されました。
2018年6月には、リード化合物であるTMS-007をバイオジェン(米国)に総額3億5,700万ドルで導出する、日本のバイオベンチャーによるディールとして大規模なオプション契約を締結しました。