株式会社ティムスのブログ担当です。

今回、東京農工大学発の創薬ベンチャーとして設立した当社についてより皆さまに知っていただくため、取締役へのインタビューを行いました。

本記事では、大手外資製薬会社の日本法人において研究開発トップを長年にわたって務めた、製薬のプロとしてキャリアを積み重ねた当社取締役の横田尚久に、開発担当の視点からみた当社の魅力と成長可能性についてお聞きしました。

Naohisa Yokota

横田尚久

株式会社ティムス 取締役(開発担当)

製薬のプロとして、日本発のシードを育てる現場に立ちたい

ティムスとの出会いを教えてください。

私は、いくつかの大手外資系製薬会社の研究開発部門で臨床開発を主とする新薬開発、承認申請に携わってきました。また、その間に欧州製薬団体連合会(EFPIA)の技術委員長を4年程経験し、研究開発分野における新たな規制や国際調和の方策の策定などで、業界を代表して規制当局との折衝など有意義な時間を過ごしました。

以前より、外資系の製薬会社でキャリアを終わるのではなく、外資系で働いてきた経験を活かして、日本発のシードを育てる現場に立ちたいと考えていました。

そんな折に若林社長に出会い、当社に入社することになりました。その際に私が出した条件は、単なる管理ではなく、研究開発の仕事の現場にも立ちたいということでした。

医薬品業界では日本に比べ海外の方が、規制や方法を含む医薬品開発の環境が整っていて、シードを持ったベンチャーを育てる環境やノウハウも圧倒的に進んでいます。外資系で積み重ねたキャリアを、最後は日本発のシード育成に活かすこと、また原点に戻って現場でも働くことで、日本に対する恩返しをしたい。そんな私のわがままを受け入れてくれたのがティムスだったのです。

創薬ベンチャーといっても、一発限りの発展性がないシードだけをやっているところが散見される中で、SMTPという基幹技術があって、そのコンパウンド(化合物)に対して多くの知識と経験があり、いろんな形で発展できる可能性があるのが、ティムスの大きな魅力でした。

熱量+グローバルで培ったメソドロジーで、世界に通用するプロダクトを

ティムスの強みや特徴を教えてください。

入社してからわかったことは、ティムスは、開発者たちのプロジェクトに対する思い入れ・熱量が非常に高いということでした。

外資系の製薬企業の場合、役割分担がはっきり決められていてある程度ドライに役割に携わることもあります。また、突き詰めて評価をするというよりは、滑沢な資金の背景もあり、広い評価をすることが可能です。しかし、広い評価を全部やるだけの資金がない場合は、ある程度絞り込んで評価する必要があります。

これは、やり方の問題でもあるのですが、カルチャーの問題でもあると思います。当社の場合は、基幹技術があるところと、社内・社外の研究、社内の研究、社外の研究も含めて、ネットワークを幅広く使いながらも効率的に進めていきます。

また、評価においては、製品の可能性に合わせて、幅広く、対象疾患や開発の戦略を策定しています。これを支えているのが、研究開発担当の方々の熱量です。そこに私が外資で吸収してきたメソドロジーをプラスしていくことで、世界に通用するプロダクトを製品化できると確信しています。

 

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パートナーづくりを通じて、幅広く開発計画を追求していきたい

ティムスの成長可能性について教えてください。

ベンチャー企業として開発して承認を取るのは、かなりの負担です。したがって、開発を進めていく上では、パートナーや当局とのリレーションシップの強化と共に、治験にご協力いただく先生方のご興味、ご協力が必要で、それには魅力的なデータを提供するとともに、開発計画の立案から関与いただくことが、当社の成長には必須だと考えています。

そのためには、私が外資系製薬会社や欧州製薬団体連合会(EFPIA)技術委員長で得た人脈やネットワークを活用し、パートナーづくり、当局とのリレーションシップの強化、および臨床の先生方に協力いただく体制を加速していきたいと考えています。また、開発計画の立案は薬事承認の取得という最終目的を見据えたものでなければいけないので、自身の経験も生かして、それに貢献していきたいと思います。

また、本体としてはミニマムな人員の組織でありながら、薬事のスペシャリストやコンサルタントなどの専門家と、自由にコンタクトできるネットワークを構築していくことも重要だと考えています。

これも、ティムスの基幹技術がしっかりあることと、製薬分野での応用可能性があるからできるのです。

話題性はあるが汎用性がない、いわゆる一発屋のバイオベンチャーにはない、広く展開できる方向で考えることができるのが、当社の強みであり成長可能性です。まさに、日本のシードで世界をリードできる、日本初のバイオベンチャーになることができる可能性を秘めていると私は考えます。

 

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創薬ベンチャーのボードメンバーに必要な資質とは

横田取締役が今後の課題と感じていることをお聞かせください。

ティムスに入社してから私自身、変わったことがあります。それは、経営やリーダーシップ、今の時代のトピックなど、製薬や創薬の専門分野以外の書籍を読むようになりました。

大きな会社にいると、そうした知識を特に必要としなかったということもありましたし、専門分野以外は、あまり考えなくても良かったのです。しかし、今は経営に直接ダイレクトに携わることもあります。係数や財務にもある程度の知識がないと、取締役会はもちろん社内の会議でも十分な議論ができず、こうした知識の必要性を感じるようになりました。

若林社長や蓮見会長はじめ取締役の方々、ものすごく勉強されています。創薬ベンチャーのボードメンバーはあらゆることに対応できる能力が求められるということを痛感する日々です。私ももう少し勉強しなくてはいかんな、という気持ちで、日々、新たなことにチャレンジしていこうと考えています。

【インタビュイー】

横田尚久

株式会社ティムス 取締役(開発担当)

 

1986年4月 フナイ薬品工業株式会社入社(現サノフィ株式会社)

1989年1月 名城大学薬学部分析学教室助手

1990年3月 日本チバガイギー株式会社(現ノバルティスファーマ株式会社)入社

1998年1月 同社 臨床開発・薬事部 臨床薬理室 室長

2000年12月 クインタイルズ株式会社入社 臨床開発事業部 事業開発部日本・韓国統括部長

2001年4月 ムンディファーマ株式会社入社 開発本部長

2006年9月 サノフィ・アベンティス株式会社(現サノフィ株式会社)入社

同社 医薬開発本部 副本部長

2010年11月 同社 執行役員 医薬開発本部長

2013年12月 同社 執行役員 アジアパシフィック開発推進部長

2017年11月 同社 執行役員 研究開発部門長

2019年4月 同社 執行役員 研究開発部門長、開発企画・調整本部長兼任

2024年11月 当社入社 研究開発部シニアディレクター

2025年5月 当社取締役(現任)